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モットーは、「住まう人の縁の下の力持ち」

Q:創業から現在に至るまでの経緯についてお伺いします。
当社の創業は、1972年のこと。父が実兄と防水工事を主とする「北島工業」を興したことに遡ります。事業を進めるにしたがい発砲ウレタンフォームを利用する案件が増加してきたため、1988年に父が発泡ウレタンフォーム事業を軸とする別会社「ケイユーフォーム」を設立することに。ケイは北島の「K(ケイ)」、ユーフォームは「ウレタンフォーム(urethane foam)」を表しています。私は1993年4月に入社し、2010年に父から社長を継承しました。発泡ウレタンフォーム事業からスタートした当社ですが、次第に防水工事なども手掛けるようなってきたため、フォームという発泡工法にこだわることなく手広く事業を展開するという意味を込めて、1995年7月に社名から「フォーム」を外して「ケイユー」に変更し、現在に至ります。
Q:事業概要と経営理念について、教えてください。
当社は、外壁や屋根の防水、塗装、雨漏りを中心に様々なリフォーム案件のご相談を承っています。当社の経営理念は、「住まう人の縁の下の力持ち」。社員をリードする立場として経営理念を掲げることの重要性を認識した後、先達から学びを得ながら模索を続け、ようやく5年ほど前にこの理念に行きつきました。ここに至った背景は2つ。第一は野球の捕手として、「縁の下の力持ち」的な役割を担っていた経験を有すること。もう一つは、私の仕事スタイルに繋がっています。私には、「目立たずとも、重要な箇所は徹底的に極めたい」というこだわりがあります。外壁工事のなかには、塗装のほかに防水性を高めるために隙間や継ぎ目にコーキング剤を充填するコーキングという工程があります。コーキング作業を緻密に行ったとしても、お客様はその変化に気づきにくいものですが、この工程は「住まう人」が安心して過ごすためには極めて大切です。当社が掲げる経営理念には、私のこうした思いが明確に表現できたと思っています。
Q:御社のアピールポイントは、どのようなことでしょうか。
地域密着型の企業として、2019年10月に浦安市より「優良企業賞」をいただきました。地域の皆様に安全をお届けし、日常の暮らしを見守らせていただければと思っています。またお客様から安心して依頼していただけるよう、社員一同、日々精進しております。例えば、御見積時と最終的な費用に大きな乖離が生じることがないよう、豊富な現場経験のある人材が精緻に見積前の事前調査を行います。これを実現できるのが、創業30年以上の実績を誇る当社の強みの一つ。工事現場にいると、お客様に追加作業をお勧めしたい場面があります。当初予定された作業だけを行う業者ではなく、お客様目線に立ち好ましいと思われる提案は前広に行うのが当社のポリシーです。こうしたスタイルが、お客様とのトラブルを回避できるだけでなく信頼関係の構築にも繋がると思っています。
若手が活躍する、風通しの良い職場環境
Q:社長を継承した後、大きな決断を迫られたことはありましたか。
今から10数年前のことになりますが、ゼネコンさんからのお仕事を一切お断りして、地域密着型の工事業者に徹することを決断しました。この決断前の経営スタイルは、まさに利益重視型。ゼネコンさんから工事案件の声が掛かれば、都内をはじめ埼玉、県内木更津などにも出向きましたし、頻発する打合せにも対応していました。さらに納得のいかない契約条件であっても、不本意ながら受容せざるを得ず、肉体的、精神的に追い込まれることに。こうした職場環境を変革するために、先に申し上げた英断をしました。これによって時間にゆとりが生まれ、地元商工会議所の青年部などに参加。諸先輩方のアドバイスを頂戴することで、商売に対する考え方も大きく変わりました。この決断を下したからこそ、現在こうして笑顔でお話ができているのだと思いますので、自分の判断は正しかったと思っています!
Q:社員とのコミュニケーションにおいて、どのような工夫をされていますか。
当社は、私のほかに工事部4名、管理部2名、施工部2名、総務・経理2名の計10名の社員から構成されています。現場は20代、30代の若手男性が活躍してくれているので、将来がとても楽しみですね!職務に関するアドバイスを行う際は、相手のモチベーションが下がらないよう配慮しています。社員間の交流を深め、風通しの良い職場環境を目指して、3ケ月に1回は飲み会を。また毎月の給料日には、手作りの食事を社内で楽しんだり、鉄板を用意して焼肉パーティを行ったりしています。さらに今年7月は念願の社員旅行も実現。今後は年一回の恒例行事にする予定です。
Q:どのような形で社員のスキルアップを図っていますか。
私は現場が大好きなので、現場でプレイングマネジャー的に振る舞ってしまう傾向がありましたが、最近は社員のキャリ形成という観点から社員に「責任あるポジション」を任せるようにしています。基本的には「失敗してもいいから、やってこい」という形で、社員が不安を感じることなく「裁量権のある職務」を全うできるよう配慮を施しています。社員のなかには、「やりがいを感じる一方、重責はありますがこのポジションだからこそ見える景色があり、この機会がきっかけで大きく成長できました」と言ってくれる者も。社員教育には注力しているのですが、正解がわからないまま手探り状態が続きつねに悩んでいます。毎年設定する年度目標の達成に向けて社員にアドバイスを行う場合においても、「的が外れていないか」と不安になることもしばしば。模索しながら前進するしかないのかなと感じています。
コンビニ感覚で、気軽にご相談を

Q:地域に対する想いをお聞かせください。
地域の方が「住まう建物」に関する不安や心配を抱えた際は、どんなに小さな事でも結構です。コンビニエンスストアに行くような感覚で、ふらっと当社に立ち寄り、気軽にご相談いただける存在になれるよう今後も引き続き尽力してまいります!現在私が行う社外活動は、地元商工会議所青年部や市川法人会の宣伝部会など。地域のお祭りなどにも積極的に参加し、地域や地域経済の活性化および地域交流の推進を目指した働きがけを行っています。「優良企業賞」を頂戴した背景には、浦安市にとっての価値ある施工実績をご評価いただいたということよりも、地域全体が盛り上がるよう創意工夫し、実際に行動に移していたことが関係者の目に留まったのではないかと推察しております。今後もこうした活動を継続していきたいと思っています。
Q:地域住民の方に、知っておいてほしいことはありますか。
「お部屋のカビが気になっている」という方も、少なくないのではないでしょうか。そのカビの原因は、小さな雨漏りかもしれません。雨漏りを放置すると最悪天井が落下するというケースもあり得ますので、早めに専門業者に相談することをお勧めします。「建物の困り事は、ケイユーさん」という形で、地域の皆様に覚えていただけると嬉しいですね!当社には、マンションの管理組合や理事長さんからのお問合せなども届きます。築10年、15年目の大規模改修を予定している御担当者様と、検討段階から何度も打合せを重ねながら作業を進めるようなご支援も実施。個人宅の雨漏り補修からマンションの大型改修まで、幅広く建物のメンテナンスやリフォームを承る当社は、地域住民に「建物の安心」を提供すべく努めております。
Q:最後に、今後の展望をお聞きします。

今後当社では、研鑽を重ねスキルを磨いた社員には幹部になってもらい、新メンバーを育成する立場としても活躍してほしいと思っています。こうしたサイクルが、5年、10年といったスパンで定期的に回るよう社内を整備する所存です。当社の特徴の一つは、若手メンバーが現場作業の中核になっていること。今後も、行動力と素直な心を持った若いパワーが必要です。お客様が笑顔になってくれることにやりがいを感じるという方がいらっしゃれば、是非一緒に働きましょう!このサイクルが回り始めたときには、別のエリアへの事業展開も視野に入れています。当社のこだわりは、お客様に安心を提供することとあわせて、社員が安心して働ける環境作り。時には梯子で苔むした場所に登り、危険な現地調査を行うことも。こうした危険を伴う作業を回避するために、ドローンを使った調査作業を実現できるよう目下準備を進めています。社員の安全第一を最優先する企業精神が望ましい社風の醸成につながり、それがお客様との好ましい関係構築にも貢献できるものと考えています。
【編集者コメント】
「住まう人の縁の下の力持ち」という経営理念には、代表が野球の捕手として培った“支える力”の精神が色濃く反映されていました。その言葉通り、ケイユーの皆さんは“目立ちにくいけれど欠かせない”工事や補修に丹念に取り組み、地域の方々の暮らしを下支えしています。
地域密着型への転換を決断したことで得られたゆとりは、先輩経営者からの学びや社員との交流を深める時間へとつながり、結果として会社の風通しの良さや働きやすい職場づくりにも大きく寄与していると感じました。3カ月に1度の飲み会や給料日の食事会、さらには社員旅行の実施など、若手が活躍できる土壌を育むための取り組みも特徴的です。
今後は、磨き上げた社員のスキルを次世代へ引き継ぐ仕組みづくりを目指すとのこと。建物の安心と社員の安全を第一に考え、地域に根差した企業としてさらなる発展を遂げていくケイユー。
その姿勢が、浦安の暮らしと経済を今後ますます豊かにしてくれるはずです。今後の活躍にぜひご注目ください!
〈執筆=成田 千草/編集=Boss Talk事務局〉