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モットーは「お客様の信頼、信用」を得ること

Q:初めに、事業概要について教えてください。
当社は電気通信工事会社として、2012年に設立しました。主に通信インフラの設計、建設、保守を行っています。この仕事の魅力は、「人と人がつながる」ことに貢献できるところですね。当社の使命は、革新的で信頼性の高い電気通信工事サービスを提供すること。そして、情報の自由な共有、取り出しを可能にすることで、複数の人をつなぎあわせることだと思っています。社名の「コンフィアンサ」とは、スペイン語で「信頼、信用」という意味があります。以前尊敬する先輩社長に、「経営者として、何を最も大切にしていますか」とお尋ねしたところ。「信頼、信用」を大事にしているという御言葉をいただきました。同氏のような経営者になりたいという思いを、社名に託しました。
Q:事業モットーは、どのようなことでしょうか。
先述のとおり当社のモットーは「お客様の信頼、信用」を得ること。それを実現するために、「工事現場の安全確保」を第一に考え日々の業務に従事しております。さらに価格の透明性と、お客様とのコミュニケーションも重視。スタッフ一同、この意識を共有しながら事業に取り組み、お客様に満足いただけるよう引き続き尽力してまいります。
Q:御社の特長、アピールポイントについてお聞きします。
近年、隣の建築物と近接する「増設案件」が増えており、都心の工事現場では足場を組むスペースを確保できないケースが少なくありません。会社設立当時からこうした時代の流れを予測していた当社は、「ロープアクセス工法」という技術を導入。国内では窓掃除、煙突掃除、橋梁点検などで利用されていますが、電気通信工事業界では「足場を組む」ことが一般的な方法として根付いていたため、この工法の有用性を理解いただくには長い月日を要することに。「ロープアクセス工法」の利用価値をなかなか受け入れてもらえず、苦しい時期を経験しました。当社が導入を開始した10年ほど前には、関係者から「早すぎる」と言われることも。昨今ようやくこの工法が認知されるようになってきましたが、この業界で導入している事業者は全国でも2、3社程度。この工法に魅了された若い方から、入社の相談を承ることもあります。
Q:業界の変化を感じることはありますか。
ひと昔前であれば、工事発注者は「安全対策」に大きな予算を投じたものですが、この流れは大きく様変わりしました。現在発注者側から提案時に求められるのは、「最低限の安全を担保」すること。変化は、これだけに留まりません。以前は設計費、工事費を別費目で提案していたのですが、今は「設計費」を単独で切り出すことは出来ず、「設計費を工事費の一部に組み込む形」が一般的。工事費として許容される範囲も、縮小されているという状況です。こうした変化に呼応して、当社は5年ほど前からビジネススキームの見直しを行いました。信頼する協力業者さんと業務を分担し、経営効率化を図るように。協力会社さんは「営業、調査、設計」を担い、当社は「工事」を担当。この改革によって、各社はそれぞれの得意分野にフォーカスできるようになっただけでなく、経験の浅い分野のリソースを自社で抱える必要がなくなりました。経営のスリム化を実現できたおかげで、現在のビジネス環境にも対応できております。
社員の仕事へのモチベーションを重視した経営

Q:お客様と接する際に心がけていることは、どのようなことでしょうか。
私自身が心がけていることは、自分を飾ることなく「素の自分」をみていただくこと。これまでに培った経験、実績、知識、そのものを評価いただけるよう精一杯尽力したいと思っています。お客様とのご縁を長く継続するには、「ありのままの自分」を認めていただくことが必要なのではないでしょうか。また社員に対しては、「一人でもいいので、お客様にファンになってもらえる人材」を目指すよう伝えています。それを実現するには、お客様との頻繁かつ臨機応変なコミュニケーションが必要です。私が社員に期待しているのは、自分の力だけで客先とのコミュニケーションを円滑に遂行できるスキルを身につけ、自信を持って業務に携わる人材に育ってもらうこと。社員が自身の仕事に責任を見いだしてもらう目的で、私はできるだけその「やりとり」に介在しないようにしています。この取り組みが、社員の仕事へのモチベーション向上にもつながるものと確信しています。
Q:社員とコミュニケーションを図る際、何を大切にしていますか。
社員が笑顔でリラックスしながらフランクな気持ちで、私と話すことができる職場環境づくりを意識しています。聴き取り調査のような形では、圧を感じて言いたいことを伝えにくいという場合も。社員には思うところを正直に表現してもらえるよう心がけているだけでなく、社内交流を活性化させるために飲み会などのレクリエーションを行ったり、福利厚生の社員旅行として「USJ(ユニバーサルスタジオジャパン)」を訪ねたりすることもあります。風通しの良い会社、社員間のコミュニケーションを重視している会社として、さらなる高みを目指したいですね。
Q:技術伝承や教育に関わる思いをお聞かせください。
この事業に従事する者には、技術や安全面をはじめさまざまな知識や現場経験が求められます。また工事現場に入るためには、特定の資格を要する場合も。必要な資格を取得するためのサポートを、積極的に提供しております。私自身、40歳代後半に入りました。私を含めこれまで現場の前線で指揮を執っていたベテラン陣は、今後次の世代への技術継承に軸足を移す時期に入っているように感じます。社員、協力会社の垣根を取り払い、業界の知識レベルの向上を目指した活動にも注力していきたいと思っています。
スマートシティ構想の枠組みの中で社会貢献

Q:改善したいと思っていることは、ありますか。
今後、ますますスマートシティを実現するための活動が活発化されていくことでしょう。また工事案件の多くがこれまで以上に東京などの主要都市に集中する傾向が強まるのではないかと、予想しています。こうした状況下において、当社が抱える課題は「市原から現場までの移動に関わる諸問題」。現場までのアクセスの利便性を考慮し、拠点を移すことも検討しています。また積極的な体制強化を図り、スマートシティ構想の枠組みのなかで自社の存在を確立したい所存です。社員が快適に業務に従事できるよう、給与などの労働条件、就業規則、職場環境などの改革も行ってまいります。これまで「現場に入る前は、当社に立ち寄ること」を社員に求めていましたが、このルールが社員に時間的、肉体的な負担を与えることに。今後は、「自宅から作業現場への直行も可能」とする方向に改めていかれればと考えています。
Q:入社を検討している人へのメッセージをお願いします。
今後、当社では積極的に若い方を含めた求人活動を行う予定です。成長カーブのスタート地点に立つ際に大切なことは、さきほども申し上げたとおり「お客様が自分のファン」になって下さるよう努めること。入社後は、まずそこを目指してともに切磋琢磨できればと思っています。仕事へのやりがいを見つけ、自己努力に見合った報酬につなげ、高いモチベーションを維持しながら業務に従事できるよう、社員一人ひとりに配慮した運営を心がけております。入社半年で班長、1年半後には係長に昇進するためのキャリアパスも用意されています。また個々人には将来ビジョンを据えてもらい、その目標に到達できるよう全力で指導させていただく所存です。
Q:最後に、今後の展望をお聞きします。
これまで当社は、主に携帯電話基地局の整備工事を行っておりました。今後はこれまで以上に広い視野を持って、事業展開を行ってまいります。現在、電気自動車やハイブリッド車用のEV充電スタンドを、ホームセンターや大型家具店の駐車場に設置しております。また、間もなくドローン用シェルター設置工事もスタート。このシェルターがあれば、悪天候時にドローンが避難用に待機できますし、自動充電も可能にあります。国内で活発化されるだろうスマートシティ構想において、当社は一目置かれる事業社となれるよう今後も引き続き、スタッフ一同精進してまいります。
【編集者コメント】
インフラ工事と聞くと、一見「地味」な作業という印象を抱きがちですが、今回のインタビューを通じて感じたのは同社がもつ柔軟な発想力と未来志向のビジョンでした。既存の慣習にとらわれない「ロープアクセス工法」をいち早く導入し、信頼する協力業者と連携しながらスリムな経営を実践。さらに、社員一人ひとりの主体性やコミュニケーションを尊重することで、「お客様のファンになってもらえる人材」を育てようとする姿勢に、同社らしさが凝縮されています。
スマートシティ化が加速し、新たな社会インフラ整備が求められるなか、同社の高い技術力と柔軟な対応力が一層注目されることでしょう。社員の働きやすい環境づくりやキャリア形成の支援にも力を入れ、今後も多彩な人材とともに成長を続ける――。「信頼と信用」を社名に掲げるその思いが、次代のインフラを支える大きな原動力となっていくのではないでしょうか。
今後のさらなる展開が、ますます楽しみです。
〈執筆=成田 千草/編集=Boss Talk事務局〉